30・「リアブレーキを使えれば上手くなる!?」




これはあまり一般には知られていないのですが、バイクを上手く操るのに欠かせないのがこのリアブレーキの使い方です。

そういう私もほんの数年前まではリアブレーキの重要性を知らないどころかリアブレーキを殆ど使わないで走っていました(^^;

しかし今となってはこのリアブレーキを積極的に使うという事が上達への一つの切っ掛けになったと思っています。

・・・・

まず、リアブレーキが重要なのに、何故その重要性を知らなかったのか。

それは・・・

誰もそんな事言ってなかったし、どこにも書いてなかったし、教習所でフロント7:リア3で掛けろって教わったし、オフのライテクビデオでもフロント重視で掛けろって言ってるし、モトクロスブーツ履いてるとブレーキ踏みにくいし、ブレーキが必要なほどスピード出せなかったしっていうところでしょうか(笑

それまでも、ブレーキターンなんかでリアを使うという事はわかっていたんですが、それとフロントブレーキの補助ぐらいにしか思ってませんでした。

・・・・

では、何故その重要性に気付いたのか。

それは・・・

前にも出てきた、元アメリカエンデューロチャンピオン、ランディーホーキンスのライテクビデオを見ていた時です。

このビデオの中でもリアブレーキの重要性なんて一言も触れてはいなかったんですが、レース中のランディーがリアブレーキを多用しているというコメントや映像があったのです。

えっ、リアブレーキを多用?

リアブレーキを止まる事以外に使うなんて誰も言ってなかったし、どこにも書いてなかったし、それに当のランディーも言ってないじゃないの!

なんで・・・?

でも、今までリアブレーキなんてちゃんと使ったことなかったし、試しに使ってみるかな。

全てはここからでした。

いろいろ調べてみると、オンでも上手い人はリアブレーキを多用するようです。

単純に止まるためだけではなく、バイクをコントロールするために・・・

・・・・

実走行で体感できたのは、CRM250(バイカーズ仕様)とTDM900に乗っている時でした。

何を隠そう私はそれまでオンを走るのも下手でした。

まず、低速走行でとにかくフラフラする。

バランスを取るのが人より下手なんでしょうか、とにかくふらついて倒れそうになるんです。

そこで、アクセルを開けてパワーを掛けた状態で、軽くリアブレーキを踏んでみました。

そうすると、車体が安定するではないですか。

次はコーナーです。

コーナーでも走りがギクシャクし、フラフラで、コーナーほど怖いものはありませんでした(^^;

それまでは、ほぼフロントブレーキしか使っていなかったので、ノーズダイブがひどかったのですが、リアブレーキを先に掛ける様にしたらノーズダイブが減りました。

そしてセオリーとは逆にフロント3:リア7ぐらいの割合でブレーキを掛けながらコーナーに入ってみました。

それまではブレーキングをしているとバイクを寝かしたくても寝ないので、ブレーキをリリースしてから寝かせるようにしていたんですが、それだとギクシャクしてしまいます。

それが、先の方法だとブレーキングをしながらでもバイクが寝るのです。

ギクシャクせずに、スーっとコーナーに入れるようになったのです。

つまり、バイクを寝かせる=曲がるということなんですが、フロントを強く掛けている状態では車体が起きる力が働いて、バイクが寝ないので曲がらなかったんです。

それに、コーナリング中もリアブレーキを引き摺るように掛けていると、特に低速コーナーで車体が安定しました。

・・・・

ここで気付いたんですが、コーナーでのブレーキングというのはただ減速するのではなく進入を伴うのだということです。

具体的には、

ブレーキング→パーシャル(減速も加速もしていない状態)→曲がる→加速

ではなく、

ブレーキングしながらバイクを寝かし=曲がる→アクセルを開けて加速しながら立ち上がる

です。

バイクはパーシャル(減速も加速もしていない状態)の時がいちばん安定しない状態です。

ですから、このパーシャル(減速も加速もしていない状態)を極力少なくするのが、安定してコーナーをクリアする方法なのです。

・・・・

ここで疑問です。

では何故、教習所でフロント7:リア3で掛けろって教えるのか?、オフのライテクビデオでもフロント重視で掛けろって言うのか?

それは両方とも完全に停止するためのブレーキングだからです。

コーナーを曲がったり坂を下ったりするのにスピードを落すブレーキングじゃないんです。

確かに完全に停止するためのブレーキングであれば、リア重視では止まりません。

ですから、それはそれで正解なんですが、交差点とか前に障害物があって止まらざるを得ない時以外は、走っている時に完全に止まる事はありません。

たとえそれが極低速のコーナーだったとしてもバイクは常に動いている状態です。

完全に停止する必要が無いなら、フロント重視のブレーキングである必要性はないのです。

・・・・

完全に停止するフロント重視のブレーキングとは別に、減速するためのリア重視のブレーキングがあったのです・・・

これがわかるまでに、20年掛かりました(^^;

それに気付いてからはフロントをほとんど掛けなくなりました。

リア重視でフロントは補助的に掛けるだけ。

だってこの方が・・・

バイクを寝かしやすい。

ブレーキングしたままコーナーに入っていける。

リアブレーキを引き摺ってるとバイクは安定してる。

そのスピードを維持したまま加速に移れて不安定なパーシャルを無くせる。

・・・という感じで、すごくスムーズに走れるようになったからです。

・・・・

これまで、オン(舗装路)でのリアブレーキの使い方を書いてきましたが、これには理由があります。

このリアブレーキを使うという事に関しては、オフよりもオンの方が体感しやすいからです。

その理由は、オンはオフと違って凸凹も無く、滑らないので、初級者でもスピードが出せ、バイクを操作する事に集中出来るんです。

試しに、安全な場所でフロント重視(7:3)のブレーキングをしてみて下さい。
(緩い下り坂でやると荷重が掛かりやすくなるので、より低いスピードで体感できます)

フロントサスがグーっと沈み込んで、それがある程度戻るまで曲がりにくいはずです。

フロントに荷重がかかっているので、下り坂や高いスピードから無理に曲がろうとすると、フロントから転びます。

次にリア重視(3:7)のブレーキングをしてみて下さい。
(この時にリアを一瞬早く掛けます)

リアサスがググッと沈み込んで、前のめりになるのを防いでくれるのが体感できると思います。

そしてフロントブレーキを離して、リアだけ引き摺るように残します。

そこから車体を寝かせてみて下さい。

フロント重視の時と違い、フロントに荷重が掛かっていないのでスーっと曲がれるはずです。

・・・・

さて、ここからやっと本題のオフでのリアブレーキの使い方です。

ウチのミーティングでは、骨盤を起こす、足の付け根から体を前傾後傾、片手走行という順で練習メニューを組んでいますが、このリアブレーキを使うという事がその次のメニューとなります。

ミーティングに参加された方であればご存知だと思いますが、私が模範走行でお見せする片手走行。

上りも下りもフル加速もフル減速もスラロームもハンドルフルロックターンも片手で行うアレです(笑

この片手走行に欠かせないのが、リアブレーキでのバイクコントロールです。

その時にどんな操作をしているのかというと・・・

*減速すること。

フロント重視のブレーキングでも減速することは出来ますが、前出のようにフロント重視のブレーキングでは曲がることが難しくなります。
(両手でも難しいのに、片手では尚更です)

フロント重視のブレーキングでは、前荷重になってしまうので下りながら曲がることが出来ないのです。

*バイクを安定させること。

バイクは駆動が掛かっている時がいちばん安定していますが、止まりそうなスピードで走っている時には、そのままでは駆動を掛けられません。

その駆動が掛かっている状況を、アクセルを開けたままリアブレーキを掛ける事で意図的に作り出してあげるのです。

その状態で、リアブレーキの効きを強くしたり弱くしたりする事により、スピードの調節も出来ます。


まだまだ続くよ〜^^ノ

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